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2012/05/08 03:02
ザ・フー、結成40周年にして奇蹟の単独初来日から4年。今度はフロントマン、ロジャー・ダルトリーがロック・オペラ「トミー」の完全再現を掲げて再来日。私にとっての「トミー」の出会いは 75年の映画版 で、若くてきれいなカーリー・ヘアの主役、ロジャー・ダルトリーのほかにエルトン・ジョンが“ピンボールの魔術師”を歌い、ティナ・ターナーが“アシッド・クィーン”で 、エリック・クラプトンも出ていて…とすごく華やかなものの印象が強い。それから37年。
いくら完全再現ライヴが大流行の昨今とは言え、あれほど大掛かりなものでないのは明らかだし、正直迷うところもあったのだけど、70歳近い彼の年齢を考えれば、もう関西で生の姿を拝むのは最後かもとチケットを取った。
一気に真夏 になったかのような黄金週間 初日。この4月から尼崎信用金庫が命名権スポンサーになり、正式名称は「尼崎市総合文化センター大ホール」に変わりないけど、愛称「アルカイックホール」は、 「あましんアルカイックホール」になったそうで、尼崎駅から直結の陸橋を上がるとさっそく「あましん」の文字が目にとまる。
さすがに大阪城ホールのブライアン・アダムスほどじゃないが、ウドー会員を始め、イープラス、ぴあなど招待 もけっこう出てたらしく、友人達はしっかりタダ入り。それでも引き換えたら20列前後だったそうで、2階もお客を入れてなかったから、キャパ1800ほどのホールでさえ完売しないのだ。やっぱり日本ではザ・フー にしろ、「トミー」にしろ、好きな人しか来ないんだなあ。お客の年齢層の高さから言って、前半「トミー」再現パートは座りっぱなしだろうし、せっかく\10000払って会員先行で3列めをゲットしたのに、じっと座ってるのも面白くないなあ・・・
しかし、蓋を開けたら予想外 午後5時半の開演が近づくと、まだ客電が落ちる前から手拍子 が起こり、メンバー登場と同時にほぼ総立ち状態に。 おお、みんな熱いね まず最初客席に背を向けて立ったロジャーは黒シャツ、黒パンツ姿で、チラシに使われてた写真の感じそのままだ。両手にタンバリンを持ってまるでシンバルのようにガンガン叩きながら、“Overture ”から順に「トミー」がスタート。
左手のギターはピート・タウンゼントの弟、サイモン・タウンゼント。さすがに兄弟、鼻はもちろんよく似てる!右手にもう1人のギター、フランク・シムズ。 二人がロジャーを挿んで弾きあう後方にキーポードとベースがさりげなく。
ステージの後方中央に高く掲げられたスクリーンがあり、鳥とかいろんなアニメーションが流れていく。ロジャーは本当に声も良く出ていて、カウボーイのようにマイク をブンブン振り回すアクションで客席を沸かせる。コードが絡まったり、落としたりしないか、観てる方がちょっとドキドキ
時にサイモンもヴォーカルをとりながら、次々と展開していく物語と、映像が直結してたのはSally Simpson”のアニメや、“Amazing Journey” での線路を走る映像、ピンボールぐらいで、完全再現と言っても物語を説明するようなものじゃない。あくまで展開のスリリングさを楽しむ感じ。そんな中でも “ピンボールの魔術師”の「Sure plays a mean pinball!」大合唱とか、See Me, Feel Me や Tommy Can You Hear Me? などお馴染みのリフが出てくると、耳を澄ますロジャー に歓声で応えたりと、客席参加の一体感もバッチリ そうやって70分あまりを一気に見せた物語の最後に聴いた“See Me, Feel Me / Listening To You”は、これまでザ・フーのライヴで叫びまくったのとはもう全然違う熱さがあって、やっばりロック・オペラ「トミー」あっての曲なんだなあと至極当たり前に感動した
で、普通ならここでいったん幕と思いきや、そのまま休憩もなく後半のザ・フー・ヒット曲集に突入 なのだけど、その前のMCで口を開いたロジャーは、初めは自分だけでやるのはどうかと思ったけど、ザ・フーの曲をやる時には故キース・ムーンも、ジョン・エントウィッスルもそこに居るんだ、みたいなことを話し、客席からも大歓声!
そして始まった“I Can See For Miles” いや〜、大好きなので私も拳振り上げて叫びまくったけど、 後ろの兄ちゃんに至っては、音程が外れようが何だろうが、全曲完唱 その他曲間にも吠える野郎の多いことったら “Behind Blue Eyes”では、最初、一瞬コーラスの音程が怪しいところがあったりもしたけど、 “Days Of Light”ではロジャーが14の頃に工場で働いてた時のことを思って書いたという曲の成り立ちを、フランクが流暢な日本語で通訳。 軽快な客席手拍子に乗って、ロジャーも本当に楽しそうに歌ってた。
ロジャーに「ソウル・ブラザー!」と紹介されたサイモンが熱唱した“Going Mobile”、シンセのイントロが印象的なオリジナルとはちょっと違った“Who Are You ?”と来て、何より新鮮だったのは「ブルースをやるザ・フー」。 Muddy Waters の“Mannish Boy”(=I'm A Man )から、思いきり緩くアレンジした“My Generation”につながるあたりは、は、これまでライヴではオアシスの本気ヴァージョンをさんざん聴いてただけに「やられた!」って感じだった。さらに連なる“Young Man Blues” が、この日一番の迫力ヴォーカル&重量演奏 初期ツェッペリンもふっ飛びそうな勢いで、そして興奮の手拍子そのままに“Baba O'Riley”突入! もちろんDon't Cry〜のところは、ロジャーが客席にマイク向けたら、もう何も言わなくったって完璧大合唱だ。 最後はロジャーがハーモニカの熱演で締めてメンバー紹介へ。ベースのジェイミー・ハンティングは、何と来日2日前に急遽ピンチヒッターを務めることになったそう。
しっとりバラードの“Without Your Love”の後は、ウクレレを持ったロジャーと、キーポードの2人だけが残り、お決まりのアンコールなんてやり方はクソだから、これで最後の曲だよと“Blue Red and Grey ”を。そしてロジャーが BE HAPPY!BE LUCKY! BE HEALTHY! と叫んで、2時間を越えるセットは無事に閉幕。
あれだけ歌い続けて、まだまだ行けそうな68歳、見納めなんてとんでもないわ!と唸った体力気力はもちろんだけど、何よりすごいと思ったのは、40年以上綴ってきたその音絵巻の鮮やかさだ。60年代からのモッズの御大にして、ロック・オぺラの祖、そして濃厚ブルースとハードロック等々。クイーンやグリーン・デイ、マイケミ等々、コンセプト・アルバムを出したアーティストだけに留まらない影響の大きさを改めて痛感した。
最近は「名盤リリースから@@周年記念再発」だの「完全再現ライヴ」ってのがやたら流行ってて、どうも「夢よもう一度」というか、あまり前向きな匂いはしないから、私としてはそれほど歓迎してなかったのだけど、昔より今現在の方がパワー・アップしてるなら、全然OKだな。
果たしてこの先「四重人格」 のツアーをやるとか言ってたピート・タウンゼント本人を含むザ・フーでの再来日はあるのだろうか??
ROGER DALTREY OSAKA SETLIST APR. 28, 2012
-TOMMY-
1.Overture
2.It's A Boy
3.1921
4.Amazing Journey
5.Sparks
6.Eyesight To The Blind (The Hawker)
7.Christmas
8.Cousin Kevin
9.The Acid Queen
10.Do You Think It's Alright?
11.Fiddle About
12.Pinball Wizard
13.There's A Doctor
14.Go To The Mirror
15.Tommy Can You Hear Me?
16.Smash The Mirror
17.Sensation
18.I'm Free
19.Miracle Cure
20.Sally Simpson
21.Welcome
22.Tommy's Holiday Camp
23.We're Not Gonna Take It
24.See Me, Feel Me / Listening To You
25.I Can See For Miles
26.The Kids Are Alright
27.Behind Blue Eyes
28.Days Of Light
29.Going Mobile
30.Who Are You ?
31.Mannish Boy(=I'm A Man ) (Muddy Waters cover)
32.My Generation
33.Young Man Blues (Mose Allison cover)
34.Baba O'Riley
35.Without Your Love
36.Blue Red and Grey
ロジャー単独のフライヤーはなかったなあ

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